ン十年ぶりに降り立つ茗荷谷駅の周辺は全く様変わりしていました。
この日は小石川植物園に行ってみようと、このン十年ぶりの地を歩いています。
播磨坂。
いかにも小石川療養所に続くにふさわしい地名です。
けっして賑やかな場所ではないのですが、しゃれた構えの店が多くて目を楽しませてくれます。
これは高級時計の店。
道の中央にある公園では桜祭りの準備をしていました。桜並木はさぞ綺麗なことでしょう。
モナコのカフェと言っても信じてもらえそうな店構え。ヌードルバーとあるが、中華なのか蕎麦か饂飩なのか?
今度は営業している時間帯に来てみたい。
モナコだべ?
駅からだらだら歩くこと約20分、小石川植物園の正門に着きました。
正式には『東京大学大学院理学系研究科附属植物園』と言うのだそうである。
国指定名勝。
23区内とは思えない雑木林。しかし全て人工的に植えられたもので、しかもすべての木に名前を書いた名札が付いている。
訪れたのは全国的にひな祭りの3月3日。
数日前の朝の情報番組で、ここからの生中継が行われており、「梅が満開」と言っていたので、梅見としゃれ込んだのだが、なにせ寒い、真冬に逆戻りしたような寒さだった。
でも梅は綺麗。
紅梅も見事。
寒さの上に手袋を持ってくるのを忘れてしまい、手がかじかんで最悪。
日本庭園の水面に映る梅林。
しかも、この日アメリカから帰国する娘が乗るはずだった飛行機が雪で欠航になってしまい、英語ダメ、初の海外旅行という悪条件の娘の安否の確認のために寒空の下、かじかむ手で携帯を操作し旅行代理店と連絡を取っていたのでした。
北斎の浮世絵に出てくるような見事な枝ぶり。
梅林からちょっと離れたところに寒桜が咲いていました。
ソメイヨシノのような可憐さはなく、ドッとという感じで咲いています。
寒桜の横には小石川療養所で使われていた井戸が残っていました。
園内に一軒だけある売店。
甘酒をいただきました、生きかえった心地がしました。
植物園の本館。
品川の原美術館に似た雰囲気の昭和モダーンと呼べる建物である。
昼食は地元に戻って松屋で『旨辛ネギたま牛めし』。
なんとなく牛丼が食べたい気分だったんです、あったかい味噌汁が旨かった。
ああ、寒かった。