こういう大きな地震があると、政府が呼称を発表するのだが、今回は全く無い。だからマスコミ各社がばらばらな呼び方をしている。政府の発表の中で使われているのは東北地方太平洋沖地震、NHKは東北関東大震災。
名前にこだわっていられないほど緊迫していると言うことだろう。
地震と津波に加えて、今回は原子力発電所の事故が重なった。
今、政府は、津波の人的被害、被災者の救護よりも、ほぼこの原子力発電所事故の対応に追われているように見える。
被災された方、亡くなった方には本当に申し訳ないのだが、今回の地震、まだ現実として感じられない。
余りにも大きく、余りにも非現実的で、完全に想像力の範囲を越えていて、まるで良く出来たSF映画を見ているようなのだ。
10000万人単位の死亡者、それが一瞬のうちに発生して、いまだにご遺体の収容もままならない。
10万人単位での自衛隊の導入。米軍による救助活動、原子力空母ロナルドレーガンが沖合いに停泊して支援を行う。ロシアも大型輸送機でヘリコプターなどを送り込む。そして一面の瓦礫の山と焼け野原。これだけ見ればまるで戦争である。
テレビの中で被災した老人が、「東京大空襲の時だって、こんなに酷くなかった。」と涙を流していた。神の力に比べれば、人間の争いなど取るに足らないということなのか。
日本人は神様に罰を与えられるようなことをしたのか、それともこれは神様に与えられた試練なのか。
我々小市民は家族を気遣い、仲間を気遣い、日々日日生きてゆくだけである。
今夜、被災地は雪になった。
行方不明者の一刻も早い救出と、被災された皆さんのがんばりを心から祈りたい。